現在のメンタルヘルスの大きな潮流である【リカバリー】について理解を深めていくことによって、疾患や障害を抱えつつも豊かに生きることを目指します。

「リカバリーは旅(過程)であり、生き方であり、構えであり、日々の挑戦の仕方です。平坦な一本調子の直線的な旅(過程)ではありません。ときに道は不安定となり、つまずき、旅の途中で止まってしまうこともあります。けれど、気を取り直してもう一度はじめることもできるのです。この旅で必要とされるのは、障がいへの挑戦を体験することです。障がいによる制限の中、あるいはそれを超えて、健全さと意思という新しく貴重な感覚を再構築することなのです。リカバリーの旅で求めている事は、地域の中でふつうに暮らし、働き、愛し、そこで自分が重要な貢献をすることなのです」。(Deegan,1996)

 

【講座】ピアミーティング
テーマを決めて語り合う・深め合う
精神障がいをお持ちの方、ご家族、専門職の方、精神保健福祉にご関心をお持ちの方が、障がいのあるなしにかかわらず、安心して話せる場所を作りたいという思いから生まれた話し合える場=ピアミーティング。
【講師】加藤 伸輔さん
ピアサポートグループ在 代表
(かとうしんすけ) 1975年生まれ。横浜市在住。 うつ病、統合失調症という診断を経て、双極性障がいと診断されるまでに13年を要した。 その後、自身の障がいを受け入れてリカバリーの道を歩んでいる。 現在はピアサポートグループ在(ざい)(http://zai-psg.jimdo.com)の運営をはじめ、積極的にピアサポート活動に取り組む。 また自身の経験や体験に基づく講演活動なども行っている。
【講座】当事者研究
自分の苦労の研究を深める
「当事者研究」とは、統合失調症などをもちながら地域で暮らす当事者の生きづらさに対して、当事者自身が「自らの研究者」となり、「自分を助け励ます方法」を具体的に検討し、見出すことを目的としたアプロ―チです。病気についてだけではなく、誰もが持っている苦労や生活の工夫を仲間と一緒に話し合うことで、「弱さ」を自分の中から取り出して、みんなでそれを眺めることができ、弱さと上手に付き合う新しい工夫が生まれます。
【ファシリテーター】向谷地 宜明さん
(むかいやちのりあき)1983年北海道生まれ。北海道浦河町の社会福祉法人「浦河べてるの家」理事で北海道医療大学教授、向谷地生良氏の長男。生まれた頃から、べてるの家の精神障害を体験した当事者達と共に育った。国際基督教大学卒業。べてるの商品を扱う株式会社エムシーメディアンの代表取締役。当事者研究のワークショップを各地で主催するほか、各地域の家族会や当事者会活動を応援している。
【講座】WRAP (Wellness Recovery Action Plan)
自分の取扱説明書を作って対処法を交換する
「WRAP(ラップ)」とは、Wellness(元気)、Recovery(回復)、Action(行動)、Plan(プラン)の頭文字を取ったものです。毎日を元気で豊かに生きること、さらに、気分を乱すような状況への気づきを高め、調子が悪くなったときに回復を促す行動プランです。 WRAPは精神的な困難を抱えた人達が健康であり続ける為の知恵や工夫を蓄積して作られたセルフヘルプツール、つまり、自分で作る自分のためのリカバリープランです。自身も精神障害を持つメアリー・エレン・コープランド氏を中心に精神障害のある人たちによって作られ、現在、世界中で活用されています。
【ファシリテーター】きょう子さん
ピアサポートグループ縁 代表

(きょうこ)私の診断名は双極性感情障害です。10年の不安定な時期に10数回の入退院を繰り返してきました。最初の入院のきっかけは酷い不眠にODでした。もともと子供の頃より不安定だった私は時々薬を飲みながら、学生時代を過ごし結婚、出産、離婚、と生活も不安定な中、今から16年?くらい前にうつ病と診断されました。当時は地域で暮らすなど考えにくいほどでしたが、ピア・カウンセリングに出合い驚くほど状態が落ち着いてきました。

今は月1回の通院の他、週1度仕事をして、当事者としてピア活動をしています。落ちる日もありますが、大きく崩れる事もなく生活をしています。夜は甘えん坊の2匹の猫と眠り休みの日は猫と戯れ趣味は読書に料理。WRAP(元気回復行動プラン)と出合い良い感じの自分でいるために自分の取取扱説明書を作るのが楽しみになりました。今ではファシリテーターの資格もとって、すぺぃろでも講座のお手伝いをさせていただいています。

ピアサポートグループ縁
【講座】リカバリー入門
リカバリーという考え方を理解する
【コーディネーター】 山本俊爾
すぺぃろスタッフ