リカバリーカレッジとは?

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イギリスでは、国民のメンタルヘルス(精神的な健康)の向上をはかる取り組みとして、疾患を持つ方やその支え手が、さまざまな生活のしづらさなどと向き合いながら地域で豊かに暮らしていくために必要となる知識を互いに学びあえる場所=リカバリーカレッジを地域ごと、街ごとに設置しています。

世界初のカレッジは、2009年にサウスウエストロンドンに作られました。現在では30か所を超えるカレッジが創設され、地域ごとに特色を見せています。この学びの取り組みは海を越え、オーストラリアやイタリア、そしてこの日本にも広がってきています。

豊かに街で暮らしていくために共に学びあえる場所。それがリカバリーカレッジなのです。

 

 

協働の精神recovery-colleges-11-638

リカバリーカレッジは、その人一人ひとりに起こるリカバリーについて学び、仲間と共に考え、これから先の人生を豊かに生きていくための方法を共同制作してゆく場です。リカバリーカレッジに入学した時から皆さんは学生として尊重されます。患者でも、障害者でもなくリカバリーを学ぶ学生です。また、親でも子供でもなく、上司でも部下でもありません。医師であれ、看護師であれ、弁護士であれ、ここに来れば、学生として対等な立場になります。入学資格は仲間と共にリカバリーについて学びたいという気持ちを持っていることだけです。

 

 

bigstock_the_road_to_recovery_9550325リカバリーへの道

リカバリーいう考え方は1980年にニュージーランド人の世界ユーザー連盟元会長M・オヘーガンによって提唱されたと言われています。30年が経とうとしている現在でも正式な定義はありませんが、この「リカバリー」という考え方(生き方)は世界中で、精神疾患と共に生きる当事者やその家族、支援者たちに受け入れられ、行きつ戻りつしながらも前向きに生きる力を与えています。

心理学博士であり、自らも統合失調症の当事者として、このリカバリーという概念の普及に努めているパトリシア・ディーガンは、以下のように語っています。

「リカバリーは旅(過程)であり、生き方であり、構えであり、日々の挑戦の仕方です。平坦な一本調子の直線的な旅(過程)ではありません。ときに道は不安定となり、つまずき、旅の途中で止まってしまうこともあります。けれど、気を取り直してもう一度はじめることもできるのです。この旅で必要とされるのは、障がいへの挑戦を体験することです。障がいによる制限の中、あるいはそれを超えて、健全さと意思という新しく貴重な感覚を再構築することなのです。リカバリーの旅で求めている事は、地域の中でふつうに暮らし、働き、愛し、そこで自分が重要な貢献をすることなのです」。(Deegan,1996)

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